本日は、ショアジギングに適したPEラインというテーマでお話ししたいと思います。
ショアジギングに関わらず、ラインというのは釣果を左右するかなり大事な要素です。ただ、種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ショアジギングにおいてはこれを買っておけば間違いはない!と筆者が考える8品を厳選しました。
私自身が長く使っているラインも入っています。みなさんのライン選び方の参考になると嬉しいです!
「PEライン」とは?
PEラインはポリエチレン(Poriechiren)という素材で作られる釣り糸のことで、以下のような特徴があります。
【長所】直線強度が高く伸びにくい→飛距離が出せる
PEラインは直線強度が非常に強いことが長所。同号数のフロロカーボンと比べると3~4倍程度の強度が出ます。そのため、細いラインで必要な強度を賄えるということになります。細いラインはガイドを抜ける時の抵抗が小さいので飛距離が出やすいです。
また、PEラインは引っ張った時の伸び率が低いという性質もあります。伸び率が低いということは、キャストの力がそのままルアーに伝わりやすい、つまりは飛距離が出やすいということになります。また、伸びにくいということで、魚のアタリが伝わりやすい・ルアーにアクションがつけやすい・しっかりフッキングしやすいといったメリットがあります。
【短所】摩擦に弱かったり、慣れないとトラブルになりやすい
短所としては、まず摩擦に弱いこと。PEラインは、細い繊維を4~12本編み込んだ構造です。複数編み込んでいる分、引っ張り強度(直線強度)は強いものの、一本が細いので摩擦には弱いという弱点があります。この弱点を克服するために、先端にフロロカーボン製のショックリーダーを使用する必要があります。(詳しくは下記参照)
また、慣れないとライントラブルになりやすいという点も。PEラインはサラサラとした質感な上に比重が軽いので、ラインスラッグが出やすいです。そのためガイドやフックに絡まったり、エアノット(PEラインが絡まって結び目ができてしまうこと)などのライントラブルに繋がりやすいので注意が必要です。
ショアジギングの種類
まず始めに、ショアジギングの種類について簡単に触れておきますね。一口にショアジギングと言っても、使うタックルや狙うターゲットによって、いくつかに分類されます。
ジグの重さによって3種類に分かれる
ショアジギングは、使うメタルジグの重さによって3種類に分類されることが多いです。(明確な線引きがあるわけではありません)それぞれについて簡単に説明します。
スーパーライトショアジギング
1g〜20g程度のメタルジグを使った最もライトなショアジギングです。
主なターゲット
・アジ
・サバ
・メバル
・カサゴ など
ライトショアジギング
30g〜40gをメインに、MAX60gまでのジグを使ったショアジギングです。3つの中でもっともビギナー向きで人気があるカテゴリと言えるでしょう。釣れる魚種が多いのも人気の理由です。
主なターゲット
・小型青物(イナダ・サゴシ)
・中型青物(ワラサ・サワラ)
・アジ
・サバ
・根魚(カサゴ、ソイ)
・ヒラメ
・マゴチ
・タチウオ
など
ショアジギング
磯場などで、MAX100g程度までのジグを使って行う本格的なショアジギングです。大物が釣れるのが最大の魅力で、10kg超の青物やシイラ、時にはマグロまで狙えます。
主なターゲット
・大型青物(ブリ・カツオ・ヒラマサ・マグロ など)
・中型青物(ワラサ・サワラ)
・シイラ
など
この3つの中では、2つ目の「ライトショアジギング」が手軽で一番人気のあるカテゴリーと言えます。一般的にショアジギングと言われる場合もこのライトショアジギングを指していることが多いです。
カテゴリーによって使うPEの「太さ」が変わる
このように使うジグの重さが変わってくると、最適な糸の太さも変わってきます。一般的には以下の表のような使い分けをされることが多いです。
カテゴリー | ジグの重さ | 対象魚 | PEラインの太さ(号数) |
---|---|---|---|
スーパーライトショアジギング | 1g~20g | 小型 | 0.4~0.6号 |
ライトショアジギング | 20g~60g | 小型~中型 | 0.8~1.5号 |
ショアジギング | 60g以上 | 中型~大型 | 1.5号以上 |
ショアジギング用PEラインの選び方
ショアジギング用のPEラインは、次のような点を考えて選びます。
太さ(号数)
先述の通り、カテゴリ(ジグの重さ・対象魚)によって最適な号数を選びます。(下記表参照)
カテゴリー | ジグの重さ | 対象魚 | PEラインの太さ(号数) | 直線強度(lb) |
---|---|---|---|---|
スーパーライトショアジギング | 1g~20g | 小型 | 0.4~0.6号 | 8~12lb |
ライトショアジギング | 20g~60g | 小型~中型 | 0.8~1.5号 | 16~30lb |
ショアジギング | 60g以上 | 中型~大型 | 1.5号以上 | 30lb~ |
号数が小さいほど、空気抵抗が少なくなるので飛距離が向上しますが、強度が低くなります。キャスト時や大物とのファイト時にラインブレイクのリスクが高まります。
状況(使うジグ・対象魚・ポイント 等)に合わせて、最適な号数を選択しましょう。
細めのライン:飛距離が出やすい。ラインブレイクのリスクが高くなる。
太めのライン:強度があり、重いジグのキャストや大型青物とのファイトも安心。飛距離が出にくい。
編み数
PEラインは、4本編み(4ブレイド)や8本編み(8ブレイド)といったタイプに分かれ、原糸の本数によって特性が変わります。一般的に、編み数が多いほど、ラインは滑らかになり、強度も高くなります。また、編み数が多いほど値段が高くなる傾向にあります。
編み数は4本・5本・8本・12本などがありますが、ショアジギングでは4本編みか8本編みが主流です。
【4本編み(4ブレイド)の特徴】
4本編みは、1本1本の原糸が太いためラインのハリが強く(要は硬いということ)、ライントラブルが少ない傾向にあります。また、原糸が太い分、耐摩耗性が高いです。8本編みと比べて価格が安いというメリットもあります。
デメリットは8本編みより飛距離が出ないこと。ライン表面の凹凸が大きく、ガイドとの摩擦抵抗が大きくなるのが原因です。
細い号数を使う方や、ライントラブルを少なくしたいビギナーの方におすすめです。
【8本編み(8ブレイド)の特徴】
4本編みと比べて2倍の本数の原糸を編み込んでいるので直線強度が高くなります。また、表面の凹凸が減って滑りが良くなるので飛距離が伸びることも大きなメリット。
デメリットは、原糸の1本1本が細いので糸が柔らかくなり、絡みやすくなること。扱いに慣れていないと、エアノットやガイド絡みが起こりやすくなります。あと4本編みより価格が高くなるというのもデメリットですね。
ある程度PEラインの扱いに慣れている方、少しでも飛距離・強度を上げたい方におすすめです。
長さ
メタルジグを100m以上遠投することもありますから、倍の200mは欲しいところですね。沖で大型青物に走られることや、根掛かりやラインブレイクなどでロストすることも考えて、余裕をもった長さにしておきましょう。
強度(直線強度)
PEラインの強度は、基本的には「直線強度」という指標で表されます。これは、真っ直ぐ引っ張った時に、何lb(ポンド)の負荷まで耐えられるラインか?ということです。
直線強度は同じ太さ(号数)であれば、ラインによって多少差はあるもののだいたい同じくらいの数値が出るように設計されています。なので、それぞれのカテゴリーに必要な号数の糸を選べばだいたい必要な強度が得られるようになっています。 不安であれば、買う前に「号数」と「lb(ポンド)数」のどちらも確認すると良いでしょう。
上の適合表にもカテゴリーごとに必要な「号数」と「lb(ポンド)数」を一覧にしていますので参考にしてみてください。
メーカー
PEラインの性能・品質はメーカーの加工技術や素材に大きく左右されます。あまり技術の高く無いメーカーのラインを使うとライントラブルが頻発することになりかねません。
ここでは、PEラインの品質に定評がある人気メーカーをいつくかご紹介しますね。
- シマノ
- ダイワ
- よつあみ
- クレハ
- バリバス
他にもたくさんありますが、上記のメーカーは品質が安定していて価格もお手頃で、人気が高いメーカーです。初めてPEラインを買うという方は、とりあえずこのあたりのメーカーを選んでおけば間違いないと思います。
今回ご紹介するおすすめ8品も、これらのメーカーの商品が中心になっています。
カラー
カラーリングも商品ごとに様々。視認性の良い黄色やピンクの単色タイプや、10m毎に色が変わり、飛距離がわかりやすいピッチマーキングタイプなどがあります。
シンプルに単色にするもよし、10mのピッチマークで機能性を求めるのもよし。リールやロッドとの相性で選ぶのも良いですね!
ショアジギングにおすすめのPEライン8選!
それではショアジギング用PEラインのおすすめ8選をご紹介したいと思います!
今回はたくさんあるPEラインの中で、特におすすめのものを厳選しました。どれも品質に定評のある王道ラインで、Amazon売れ筋ランキングで上位にランクインしているものばかりです。
私が使っているものに関しては詳細記事のリンクを貼っておきますので、良かったらそちらも参考にしてくださいね!
【クレハ】シーガーPEX8
1つ目のおすすめラインはクレハ合繊㈱の「シーガーPEX8」。ショアジギングに関わらずあらゆる釣りで人気のコスパ系PEラインです。
伸びにくいグランドマックスPEを採用し、高い遠投性能と感度を実現しています。8本編みで強度も十分で、ショアジギングにも安心して使えます。5カラーのピッチマーキングで、飛距離やトレースコースを把握しやすいのもメリット。
「コスパに優れている」、「強度が高い」、などの口コミが多く、Amazon売れ筋ランキング(ライン部門)で長らく1位を獲得しています。
【よつあみ】Xブレイド アップグレードX8
続いては、よつあみ(YGK)の「Xブレイド アップグレードX8」。YGKは、世界最大規模の釣り用ラインの生産量を誇り、特にPEラインの性能には定評があります。今回ご紹介する「アップグレードX8」は、直線強度の強さで人気のスーパージグマンX8というモデルをさらに進化させ、耐摩耗性も大幅に向上させた高強度PEラインです。一般的に相反する「直線強度」と「耐摩耗性」を高いレベルで両立させた安心品質を実現させています。
アングラーからはやはり、「耐久性が高い」という声が多く寄せられています。
【ダイワ】UVF PEデュラセンサーX8+Si2
ダイワからはソルティガシリーズのPEライン「UVF PEデュラセンサー8+Si2」がおすすめ。ソルティガシリーズだけあって、売りは「強度」です。従来品より耐摩耗性を300%以上向上しており、厳しい環境でも安心して使えます。
また、比較的低価格に設定されていて、コストパフォーマンスが高いのもありがたいところ。号数は0.6〜10号までとかなり幅広いラインナップがあり、釣り種によって選択肢が多いのも魅力です。
【シマノ】ピットブル8
シマノの王道PEライン、「ピットブル8」。PEラインと言えばこのライン!と思う方も多いのではないでしょうか?
「ピットブル8」は8本編みの低伸度PEライン。日本製の原糸「IZANAS」(東洋紡㈱)を独自工法で均一に巻いた、強さと滑らかさが売りのラインです。また、特殊コーティングにより滑らかさが増すのはもちろん、撥水性・耐塩水性にも優れているので、長時間の使用でも性能が劣化しにくいのメリット。
実売2000円台とお手頃ですが、快適にショアジギングを楽しめるコスパ抜群のPEラインです。
【バリバス】アバニ キャスティングPE マックスパワー X8 ショアマスター
バリバスのPEライン、「アバニ キャスティングPE マックスパワー X8 ショアマスター」も人気のPEラインです。マックスパワー原糸を8本編み込んでおり、マックスパワーの名前の通り強度と耐久性に定評があります。
また、バリバス独自の10m×10色カラーリングシステムにより、飛距離やトレースコースを把握しやすいのも嬉しいところ。
1.2号200mで実売3000円台後半とやや高いものの、値段以上の満足感があるとの声が多いラインです。少しでも耐久性を高めて安心感が欲しい方、飛距離などを把握して考えて釣りをしたい方におすすめのラインです。
【サンライン】シグロン PE×8
コスパ重視の方にはサンラインの「シグロン PE×8」がおすすめ。8本編みでありながら、実売価格1000円台と圧倒的なコスパを誇ります。
ミクロピッチ製法で均一に編み込まれた断面は真円性が高く滑らか。ガイドへの抵抗が小さいので糸鳴りが起こりにくく、快適に使えます。また、独自のコーティング技術は他にはないツルツル感を生み出すと好評。滑らかな質感と併せて飛距離が出しやすいのは言うまでもありません。
価格はできる限り抑えたいけど、性能も妥協したくない。そんな方におすすめのラインです。
【シマノ】ピットブル4
4本編みも2つほどごご紹介しますね。1つ目は、シマノの「ピットブル4」。前述のピットブル8の4本編み仕様ですね。
4本編みの良さはやっぱり「安さ」。このピットブル4も1.2号200m巻きで実売価格1100円ほどとかなりの低価格を実現しています。それでいて、国産の原糸(IZANAS)を使用しており、低価格ながらも高い品質にも期待できます。
また、8本編みよりハリ・コシが強いので、PEラインの扱いになれていない初心者の方にもおすすめです。
【ダイワ】UVF PEデュラセンサーX4+Si2
4本編みの2つ目はダイワ「UVF PEデュラセンサーX4+Si2」。こちらもコスパ抜群で、安定のダイワ製品が1000円台で手に入ります。
前述のとおり、耐久性は抜群ですから、初心者でも安心して使えますね。
リーダーの選び方・結び方
最適なリーダーの太さや長さは、釣り場の状況や使うPEラインの太さによって変わってきます。以下に選び方をご紹介しますので参考にしてください。
太さ
一般的には、メインライン(PEライン)の5倍の号数が基準になります。堤防など障害物が少なければ一段下げてもいいですし、根がきつい磯場ではもう少し太めにした方がいいでしょう。
ただこの時困るのが、リーダーは太さの単位である号数ではなく、強度の単位であるポンド(lb)で表記されているものが多いということです。
メーカーによって多少の誤差はありますが、1号のラインは約4ポンド前後です。リーダーは、PEラインの5倍が目安ですので、PEの20倍のポンド数を選べばよい、ということになります。
迷ったら以下の早見表を参考にしてください。
PEライン太さ(号数) | リーダー太さ(lb) |
---|---|
0.6号 | 約14lb前後 |
0.8号 | 約16lb前後 |
1.0号 | 約20lb前後 |
1.2号 | 約25lb前後 |
1.5号 | 約30lb前後 |
2号 | 約40lb前後 |
3号 | 約60lb前後 |
4号 | 約80lb前後 |
5号 | 約100lb前後 |
長さ
ショアジギングの場合、1.5mくらいが標準の長さです。足元に障害物のない堤防や砂浜であれば80cmくらいでも十分です。逆に磯や足元にテトラポッドがたくさんある堤防などは、少し長めにしておいた方が安心です。
リーダーは長くするほど飛距離が落ちるしライントラブルも起きやすくなります。(結び目とガイドの干渉が大きくなるため)ですので必要以上にリーダーを長くするのはやめましょう。
ラインシステムはFGノットが主流
ラインシステム(2本の糸を直接結びつける方法)はいろいろな種類がありますが、FGノットというやり方が主流です。比較的簡単で、強度もある方法です。
以下の動画がわかりやすいので参考にしてみてください。
最適なラインで快適なルアーフィッシングを!
以上、ショアジギングにおすすめのPEライン8選でした。
ラインはロッドやリールと比べてあまり意識することは無いかもしれませんが、快適に釣りをする上でとても重要です。
今回ご紹介した8品は人気・実績ともに十分な、いわゆる「王道」と呼べるラインばかりです。
PEラインはあまり意識しないからどれが正解かよくわからない!という方は一旦この中から気になるものを試してみるのもいいのではないでしょうか?
この記事がみなさんのライン選びのお役に立てると嬉しいです!