本日ご紹介するのはダイワのシンキングミノー「セットアッパーS-DR」。
セットアッパーは、青物狙いにおいてはもはや定番と言ってもいいくらい人気のルアーですね。一見普通のミノーに見えるこのルアーの何がそんなに魅力的なのでしょうか?
今回は、セットアッパーの特徴や人気の理由に迫りたいと思います。また、おすすめモデルや使い方もお話しようと思います。
ぜひ最後までお付き合いください!


「ショアラインシャイナー セットアッパー」について

セットアッパーはダイワが販売するシーバス用ミノー。セットアッパーと言えば、青物狙いにおいて定番と言っても良いルアーですが、実はシーバス用ミノーです。数年前に関西方面の沖堤防における青物狙いで爆発的な人気となり、それ以来多くのアングラーが使うようになりました。
現在は2種類のモデルが販売されています。
- ショアラインシャイナーZ セットアッパー
- ショアラインシャイナーZ セットアッパー S-DR
青物狙いでよく使われるのがS-DRの方ですね。DRとは「Deep Runner」の略で、より潜行深度が深いモデルです。サイズのよって違いますが、だいたい1~3m程度の潜行レンジになります。
セットアッパー S-DRのラインナップ
青物狙いで有効な「セットアッパー S-DR」ですが、現在下記の5サイズで販売されています。
アイテム | サイズ | 重量 | 最大潜行深度(m) |
---|---|---|---|
75S-DR | 75mm | 13g | 最大1.5mオーバー |
97S-DR | 97mm | 18g | 最大1.5mオーバー |
110S-DR | 110mm | 22.6g | 最大2m |
125S-DR | 125mm | 26g | 最大2mオーバー |
145S-DR | 145mm | 39g | 最大2mオーバー |
一番人気なのが、最も中間的な110mm。パイロットルアーとしてや、ターゲットが特定のベイトを追いかけていない状況などオールマイティーに使えるモデルです。ベイトが小さい時や活性が低い時はワンサイズ小さい97mm、逆にベイトが大きい時や濁り潮などで少しでもアピール力を強めたい時は125mmと使い分けることができます。
カラーは110mmでは13色を展開。サイズによってカラーラインナップは若干異なっています。(詳しくは公式サイトをご覧ください。)

「セットアッパーS-DR」の特徴

セットアッパーS-DRは次のような特徴のあるミノーです。
青物用としては珍しい「スローシンキング」仕様
このミノーの大きな特徴として、「スローキング」という仕様であること。青物に強いミノーは速巻き特化のヘビーシンキングミノーであることが多いですが、セットアッパーはそこまでの重量感はありません。スローなフォールにより適度な喰わせの間を作り出せる点が、他との差別化要素の一つです。
重心移動システム採用で18gとは思えない飛距離(97S)
スローシンキングということで、他のヘビーシンキングより飛距離が劣りそうなものですが、そこは重心移動システムを採用することでカバーしています。内蔵されたタングステンのウェイトがキャストの瞬間にリア側に移動することで初速を確保。私がよく使う97sは18gですが、28gのGコントロールなどに匹敵する飛距離を叩き出します。
「チドリ」アクションにより反射で喰わせる
スローシンキングと重心移動システムという2つの特性が合わさって生み出されるのが「チドリ」アクション。チドリとは、リトリーブ中に急にバランスを崩して一瞬姿勢が崩れること。これが絶妙の喰わせの間となって、青物は口を使わざるを得ません。ボディが潮流に打たれたり、重心移動システムのウェイトがリトリーブ中に動くことが引き金となり、このチドリが発生します。比重が小さい分、ちょっとした変化でチドリが発生しやすくなっています。
ロングリップで潜行深度が深い
長いリップが水を掴み、しっかり潜るのもこのミノーの長所。比重が軽いミノーは一般的に浮き上がりやすいですが、セットアッパーはこのロングリップのお陰で潜航深度1.5m以上を維持できます(サイズによって変わる)。活性が高い青物のレンジにマッチする仕様になっています。

「レーザーインパクト」搭載モデルも発売!

2024年10月、ついにセットアッパーにも、ダイワのコア技術である「レーザーインパクト」搭載モデルが登場しました!
レーザーインパクトとは?
レーザーインパクトとは、ダイワのルアー塗装技術です。上の写真のように透明な樹脂を立体的に配置した構造になっています。ルアーに当たった光はこの立体の中を通ることで多方向に拡散され、遠くにいる魚にもアピールできるという仕組みです。
この反射の仕方は、イワシなどの小魚と同じような反射パターンになるように設計されているとのこと。
開発にあたり着目したのは、ベイトフィッシュが放つ「輝き」だ。無論、これまでにもホログラムや反射板などにより強い反射光やフラッシングが得られるというルアーは多数存在していたが、実際に水中でその光る姿を見てみると、実は光が届く範囲はわずか数メートルに過ぎなかったり、光の方向が一定であったりして、水中での輝きが広範囲の魚にアピールできていないことがわかった。
そこで、レーザーインパクトはイワシなどの体と同じ「鏡面反射構造」を採用。ベイトフィッシュ同様の強い輝きを広範囲に放つ。という設計コンセプトをダイワならではの先進の技術により具現化し、既存のルアーとは比較にならない高輝度、かつリアルな反射光を実現した。その輝きは、もはや別次元だ。
ダイワ公式サイト
レーザーインパクト搭載モデルは10種類以上!

現在、レーザーインパクト搭載モデルは125S-DRと145S-DRのみで展開。それぞれで10種類以上のカラーラインナップがあります。

「セットアッパー 97S-DR」のインプレ

私のお気に入り、セットアッパー97S-DRについて、実際の使用感をお伝えしようと思います。
外見
見た目はこんな感じ。リップの長さが目立ちます。このリップが水を掴んで深く潜っていくわけですね。ボディ部分は大きな特徴はありませんが、若干ファット目なシルエット感です。

基本性能
遠投性能
遠投性能はまあまあ高い。ラテオ96mで投げて50〜60mくらい。18gということを考えると上出来でしょう。
ただ、横風にはあまり強くないようです。比重が小さくボリューム感のあるシルエットなので、風の影響を受けやすいです。逆に向かい風はそこまで飛距離が落ちない印象です。
巻き
高速巻き〜低速巻きまで対応可能。
高速巻きでは左右に大きく振りながら泳ぐ、ワイドウォブリングアクション。低速巻きでは控えめなタイトウォブリングアクション。
ロングリップのお陰で低速でもレンジキープできるし、振動もしっかり伝わってきます。
ただ一点注意なのが、巻き始める前にしゃくったりして重心を戻す一手間が必要になります。(詳細は下記参照)
フォール
フォール速度はシンキングミノーとしては遅め。水深5mで着底まで12秒くらいかかります。潮が効いていると底取りは難しいです。
前後にゆらゆらしながらの水平フォール(いわゆるシミーフォール)。揺れる時に強くフラッシングするのでアピールは強そうです。
他のミノーと何が違う?
青物に強いと言われるシンキングミノーを5種類並べてみました。
- 【タックルハウス】コンタクトフリッツ(28g)
- 【ジャクソン】Gコントロール(28g)
- 【ジャクソン】ピンテールサゴシチューン(28g)
- 【ダイワ】セットアッパー97SDR(18g)
- 【シマノ】サイレントアサシン99Sジェットブースト(17g)

こうして比べてみると、セットアッパーは最もふっくらしたシルエットだということがわかります。このシルエット感で18gしかないので比重は小さいですね。この小さな比重が、スローシンキングという性能に繋がるわけですね。
▼今回並べたミノー達はこちらの記事でも紹介しています。

どんな魚が釣れる?
主に堤防から中層~表層付近を巻きで釣る設計になっているので、回遊魚系の釣果が高いです。ただ、スローな誘いもできるし、リアクションバイトが誘えることもあって、タチウオなどスロー系の魚も釣れます。
また、サーフの青物・シーバスで使えば外道でヒラメ・マゴチが釣れることもあるようです。
- ブリ
- ヒラマサ
- カンパチ
- サワラ
- シーバス
- ヒラメ、マゴチ
- マダイ
- イサキ
- タチウオ など
「青物スペシャルカラー」も注目!
セットアッパーSDRには、青物に特化した「青物スペシャルカラー」もあります。ノーマルモデルと比べて以下の特徴があります。
- 太軸フックを標準装備(3フック仕様)
- 青物を意識したギラギラの塗装
- サイズは125mmのみ
- 重量は27.5g(ノーマルタイプ26.0gより若干重い)
公式HPでは紹介されていませんが、カラーは10種類前後あるようです。
2024年限定生産なので、欲しい方はお早めにどうぞ!!

おすすめのサイズとカラー

サイズ
サイズは以下の5種類を展開しています。
- セットアッパー 75S-DR(75mm)
- セットアッパー 97S-DR(97mm)
- セットアッパー 110S-DR(110mm)
- セットアッパー 125S-DR(125mm)
- セットアッパー 145S-DR(145mm)
この中では110mmが最も汎用性があって使いやすいですね。堤防やサーフのライトショアジギングはもちろん、小規模な磯からの使用もできます。
ベイトが小さい時などは97mm、ルアーの存在感を出したい時や大型青物を狙う時は125mm、145mmと使い分けるのがおすすめです。
カラー
定番のS110とS97で展開されているカラーからおすすめの5色をご紹介します。
①レーザーマイワシ
ど定番のイワシカラー。関西沖堤防の定番カラーでもあります。光が当たった時の煌びやかさは本物のイワシのよう(上記写真参照)。朝一のサーチカラーとしても日中の回遊待ちでも使える万能カラーです。私はもし一本しか持って行けないならこのカラーを選びますね。

②レーザーレッドヘッド
アピールカラーとナチュラルカラーのコントラストが魅力のレッドヘッド。日中の他に、日出前や日の入後など暗い時間帯の実績が高いカラーです。ナイトシーバスの定番カラーでもあります。

③ラトリンゴールドレインボー
サゴシ・サワラ狙いなら一つは持っておきたいチャートカラー。ゴールドベースで濁りにも強いカラーです。よりアピールを強めたかったりグリーン系が欲しいならなら「どマットチャート」もおすすめ。

④クリアーアデルケイムラシラス
クリアーカラーはシラス食いの青物に効果的面のカラーです。薄暗いまずめ時に使う場合や、フラッシングを抑えてボンヤリとしたシラスの群れを演出したいならこのアデルケイムライワシがいいですね。カタクチイワシなどのベイトも絡む場合はフラッシングが効くレーザーインパクトが最適でしょう。

⑤レーザーインパクト(LI)ブルピンイワシ
レーザーインパクトからもう一品、ブルピンイワシ。カラーもイワシに寄せた、ザ・イワシカラーです。ブルーとピンクの両方があるので、まずめ時や日中、晴天、曇り、濁りとあらゆる状況に対応可能です。

「セットアッパーS-DR」の効果的な使い方

セットアッパーの効果的な使い方をご紹介します。セットアッパーは様々なターゲットを狙うのに使えますが、今回は代表的なターゲットである青物とシーバスについてご紹介しようと思います。
着水直後の「重心位置」に注意!
セットアッパーは前述のように、キャスト時に重心が後方に移動してすることで飛距離を稼ぐ設計になっています。本来の潜行レンジで安定してアクションさせるためには着水後に重心を中央に戻さなければいけませんが、後方に移動した重心は勝手には戻りません(たまにリトリーブのスピードで勝手に戻ることもあります)。重心を戻すためには、一度強めにジャーク(下方向でも上方向でも可)してあげる必要があります。
もし重心が後ろのままでリトリーブしたりジャークさせると、以下のような状態になり本来の性能を発揮できません。
- 後方重心なのですぐ浮き上がってレンジをキープできない
- 魅力的な水平フォールのはずがお尻を下に垂直に落ちるような変なフォールになる
- 「チドリ」が発生しない
慣れるまで少しコツが必要ですが、本来のパフォーマンスを発揮させるために「ワンジャーク」を忘れないようにしましょう。
「青物」におすすめの使い方
表層直下を高速リトリーブ
着水と同時に高速で巻くだけです。朝一、表層付近に浮いている活性の高い個体を狙うのに効果的です。ただ、上記でお話した通り、重心位置が後ろのままだとすぐに表層を割ってしまいます。ワンジャーク入れて重心を戻してから使いましょう。
着底or中層→高速(中速)リトリーブ
表層に反応が無い時は少しずつレンジを下げていきましょう。中層でも反応が無ければボトムまで沈めるものありです。任意のレンジまで沈めたら、基本的には巻くだけでOK。タダ巻きで反応しなければ、リトリーブ速度を変えてみたりストップ&ゴーを入れてみたり変化をつけましょう。
ストップ&ゴー
速巻きの最中に急に止めるストップ&ゴーも有効。ストップした瞬間に惰性でラインスラッグが発生するので、自動的に魅力的なスローフォールが発生します。完全に停止しなくても、高速巻き→ゆっくり巻きのリズムチェンジも効果的です。
リトリーブ&軽いジャーク
リトリーブ中に軽いジャーク(横ジャークがやりやすい)を入れるのも効果的。スローシンキングなのであまり激しいジャークはアクションが破綻してしまいますが、軽めなジャークは良い誘いになります。ジャークした瞬間にフラッとバランスを崩す「チドリ」を発生し、リアクションバイトを誘えます。
堤防など足場が高い釣り場では、ロッドを下に向けて下方向にジャークするとレンジをキープしやすいですよ!
「シーバス」におすすめの使い方
ドリフト
ドリフトは、河川など流れのある場所でゆっくりと流れに乗せていくアクション。流れの中を誘うことが多いシーバスならではの釣り方です。手元にルアーが動くブルブルという振動が伝わるかどうかくらいのスピードでリトリーブするのがポイント。活性が低い時は、できるだけゆっくり巻いた方が反応は良いです。
サーフや岸壁でシーバスを狙う場合、リトリーブ速度を調整して返す波に乗せて漂わせる、という高等テクニックもあります。
まとめ
以上、ダイワ「セットアッパー S-DR」のインプレでした。
一見普通のミノーに見えますが、マグネットによる重心移動システムやロングリップなど、青物を狂わせる仕掛けが満載のルアーです。
まだ使ったことがない方はぜひ試してみてくださいね!

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