本日ご紹介するのは、シマノの「23ディアルーナ S96M」。
ディアルーナはシマノの万能系シーバスロッドの王道ですが、「S96M」はその中でも最も汎用性が高いモデルです。私も今年の10月に買ってすでに数回使っていますが、これがかなり使いやすい!特にメタルジグのしゃくりやすさは同クラスのロッドの中ではピカイチです。
今回の記事では、サーフ・堤防・河口など様々なポイントで使ってみた感想を共有します。また、ライバル機であるダイワ「ラテオ」との違いについてもお話ししたいと思います。
ディアルーナの購入を考えている方、ラテオと迷っている方の参考になると嬉しいです!
「ディアルーナ」とは?

「ディアルーナ」はシマノの人気シーバスロッドシリーズです。2万円台とミドルクラスの価格帯ながら、ハイエンドモデルにも取り入れられている技術が複数搭載されています。また、豊富なラインナップがあり、あらゆるルアーゲームに使える汎用性の高さが魅力です。
カーボンモノコックグリップ搭載。クラス超越、さらなる進化。
キャスト・ルアー操作・ファイト、その全てのシーンにおいてクラスを超越するパフォーマンスを追求したショアキャスティングロッド「ディアルーナ」。[スパイラルX]と[ハイパワーX]のダブルX構造によって高い強度と剛性を保持しつつ、軽さとパワーの両立を実現。そして、さらなる軽量化と高感度化をもたらす[カーボンモノコックグリップ]を新たに採用。その恩恵によりシャープさやレスポンス性も大幅に向上し、より高精度のゲームを楽しめるロッドとして進化を遂げた。アイテムは7ft台から10ftオーバー、軽量プラグからメタルジグやビッグベイトまで対応する幅広いレングスとパワーをラインナップ。フィールドは港湾、河川、汽水湖、防波堤、サーフや磯場など、近~遠距離戦のあらゆるシーンに適応。シーバスを代表にヒラメ、青物や回遊魚など多種多様なターゲットを攻略。シマノ公式HP
「23ディアルーナ」の特徴

23ディアルーナは次のような特徴があるロッドです。
幅広いルアーを扱える汎用性の高さ
ディアルーナの長所の一つとして、一本のロッドで扱えるルアーの幅が広いという点が挙げられます。例えば96Mは7g〜45g、MHは10〜60gとかなり守備範囲が広い。季節によって釣り物も使うルアーも変わるので、一本で幅広いルアーをカバーできるのはかなりメリットですね!
バランスの良いブランクス
この汎用性を生み出すのが、独自のブランクス技術。ハイパワーXとスパイラルXの組み合わせにより、ハリはあるけど軽いルアーでもしっかり飛ばせるしなやかさがあります。
ディアルーナは、柔らかめか硬めかで言えば硬めのロッドになります。
圧倒的な軽量性
そしてなにより軽い!同価格帯のロッドの中では最軽量クラスです。シーバスにせよショアジギングにせよ長時間投げ続けなければならないので軽さは大事ですよね。
カーボンモノコック搭載で軽量・高感度
2023年モデルより、ディアルーナにもカーボンモノコックが搭載されました。これにより、感度と軽量性が向上しています。もともとエクスセンスやルミナスなどの上位機種のみに搭載されていましたが、満を持してディアルーナにも搭載です。
カーボンモノコックとは?
カーボンモノコックはシマノのグリップ技術。カーボン素材を用いた中空構造のグリップで、軽量かつ振動伝達率に優れます(一般的なセパレートタイプのグリップと比較して1.3倍の伝導率)。魚やルアーの動き、水底の感触、水流の変化など、水中の僅かな情報を高感度で伝達できるグリップです。


30種を超えるラインナップ
番手数の多さもディアルーナの魅力。スピニングタイプとベイトタイプ合わせて30番手以上と圧巻の番手数です。コンセプト通り、様々なターゲットを狙えるように多彩な選択肢を用意してくれています。
「23ディアルーナ S96M」のインプレ

それではディアルーナ「S96M」の外観や実際の使用感についてお話します。
今回ご紹介するディアルーナ「S96M」は、シーバスロッドとしてはやや強めのモデルになります。MAX45gのウェイトまで対応でき、主に大河川やサーフ・港湾など遠投が必要なフィールドでの使用を想定しています。
【23ディアルーナ 主要モデル】
| モデル | 長さ | 自重 | ルアー重量 |
|---|---|---|---|
| S90L | 9.0ft | 116g | MAX 28g |
| S96ML | 9.6ft | 137g | MAX 35g |
| S106ML | 10.6ft | 156g | MAX 35g |
| S90M | 9.0ft | 129g | MAX 45g |
| S96M | 9.6ft | 139g | MAX 45g |
| S106M | 10.6ft | 176g | MAX 45g |
| S96MH | 9.6ft | 166g | MAX 60g |
| S106MH | 10.6ft | 186g | MAX 60g |
今回私は、主にサーフ・大河川河口でのシーバス、フラットフィッシュ狙いに使う想定で買いました。実際にこれらのポイントで使ったところ、使用感としてはかなり満足できるものでした。さらに、当初はあまり期待していなかったジグの使用感もかなり良いことがわかりました。
以下、詳細になります。
基本性能
外見
全体はこんな感じ。ほぼ黒一色のシックなデザイン。


カーボンモノコックのグリップエンド。感度は劇的に変わる感じはしないが悪くはない。マットな質感はおしゃれ。

CI4+を使用した軽量・高感度なリールシート。デザイン性も高くかっこいい。

スパイラルX構造のブランクス。カーボンシートを巻き上げて強度とハリを出しています。想像以上にシャキッとしていて少し驚きました。前評判では40gのジグをしゃくると少しだるいと聞いていましたが、個人的にはそこまで気になりませんでした。むしろ、他のシーバスロッドと比べるととてもしゃくりやすく感じました。

全てのガイドがステンレスフレームでSiCリングになっています。耐久性の面で安心できますね。

軽さ
自重は驚異の139g。当然使用感も軽いです。
ライバル機のラテオ96Mが147gなので、スペック上は8g(%)軽いですね。ただ、どちらも相当軽いロッドなのでリールを付けて実際に使用する上ではあまり差は感じません。
一方で、ショアジギングロッドやシーバスロッドのMHクラスと比べるとかなり軽く感じますね。自重の差もそうですがグリップやブランクスの太さが全然違うので、持ち重り感や振り抜き感が全然違います。
遠投性能
「96M」クラスの特性とも言えますが、遠投性能は高いです。遠投にベストなウェイトは30〜40gですが、30g以下の軽量ルアーもしっかり投げることができます。
7g〜40gの様々なルアーを投げてみた結果です。10g以下になるとさすがに投げにくくなるものの、幅広いウェイトでストレスなくキャストできる印象です。
| ルアー | 投げやすさ | ジャーク感 | 平均飛距離 |
|---|---|---|---|
| サスケ95F 9g(プラグ) | △ | – | 30m |
| オニマル12g(バイブ) | 〇 | 〇 | 50m |
| サイレントアサシン17g(プラグ) | ◎ | ◎ | 65m |
| Gコントロール28g(プラグ) | ◎ | ◎ | 70m |
| ジャックアイマキマキ30g(ジグ) | ◎ | ◎ | 85m |
| ジグパラショート40g(ジグ) | ◎ | ◎ | 95m |
| モンスターショット40g(プラグ) | 〇 | 〇 | 85m |
ただ、ハリが強いロッドのため、反発を最大限に活かすためにはしっかり振り抜く必要があります。このあたりが初心者にとっては難しいかもしれません。
ジャーク感
根本から先端まで、全体的にシャキッとしてて硬めなので、ジャークはしやすいです。特に他のロッドと差が出るのが35g以上のジグを投げたとき。ラテオなど他のシーバスロッドは、ティップが柔らかいため多少だるさありますが、このディアルーナはほとんど気になりません。青物狙いで40gくらいのジグをキビキビと動かすにはとても使いやすいロッドです。
ただ、上限は45gまでとなっているので無理は厳禁。40gまでを目安とし、上限を超えるルアーのキャストはやめましょう。
感度
感度はとても良いです。10gのメタルバイブ(ONIMARU)をサーフで使用した時もしっかり着底を感じ取れました。ブレードジグの弱めの波動も感じることができるので、シーバス、青物、フラットフィッシュあたりを狙うには十分な感度だと思います。
シーン別使用感

代表的なフィールドである河口・サーフ・堤防でそれぞれ使ってみた感想です。
河口のシーバス 〇
普通に使いやすいです。大規模河川でも、9.6ftの長さを活かした大遠投で広く探ることができます。
河口のベイトは季節によって様々なサイズになります。このロッドは10〜40gまで投げることができるため大体のサイズに対応できるのも強みです。
サーフのフラットフィッシュ 〇
問題なく使えます。感度が良いので荒れてて着底が分かりにくい日でも使いやすいです。サーフフラットで使うルアーは30g前後のプラグやジグがメインになりますが、このディアルーナS96Mのドンピシャのサイズ感になります。したがって、飛距離も稼げてジャークで適度にアクションをつけることもできるのでかなり使いやすいです。
ただシャキッとしたティップなので、ショートバイトが多い日は少しフッキングしにくいかもしれません。
堤防・港湾のライトショアジギング ◎
これもまたかなり使いやすい。今回一番びっくりしたのがショアジギングでの使い勝手の良さです。私は30〜40gのジグがメインですが、その使い勝手が良すぎます。平均で90〜100mの飛距離もそうですが、ジャーク時のシャキッと感がとても良いです。
30〜40gのジグを使った青物狙いがメインの方には間違いなくおすすめできるロッドです。
ダイワ「24ラテオ96M」との比較

続いて、ライバル機であるダイワ「ラテオ」との比較をしていきましょう。
私は24ラテオの「S96M」も持っており、前作から合わせて10年ほど愛用しています。ラテオでもシーバス、青物、ヒラメ・マゴチとたくさんの魚と出会ってきました。
ディアルーナ歴は浅いですが、現時点で感じている2本のロッドの差についてお話ししていこうと思います。
▼「24ラテオ S96M」のインプレはこちら!

▼「ラテオ」と「ディアルーナ」の比較記事はこちら!

スペック表、メーカー公式
両者のスペックは以下のようになっています。
| アイテム | 全長(m) | 標準自重(g) | ルアー重量(g) | メーカー希望 本体価格(円) |
|---|---|---|---|---|
| ラテオ96M | 2.90 | 147 | 10~50 | 31,500円 |
| ディアルーナ96M | 2.90 | 139 | MAX 45 | 31,500円 |
【スペックの違い】
- 自重:ディアルーナの方が軽い(8g)
- ルアー重量:ラテオ96Mの方が幅が広い(5g)
- メーカー希望本体価格:全く同じ
細かい点で若干の違いはありますが、数値的なスペックはほぼ同等と言えるでしょう。
実際の使用感
次に私が感じている実際の使用感の違いですが、ざっくりまとめると次のようになります。
【ディアルーナ・ラテオの使用感の違い】
- ディアルーナは「硬め」、ラテオは「柔らかめ」のロッド
- ジグのキャスト・操作性はディアルーナの方が高め
- 軽量ルアーのキャスト・操作性はラテオの方が高め
- 感度は若干だがディアルーナが上か?
まずロッドの硬さですが、ディアルーナの方が硬めです。これはブランクスの強化構造の違いからきているようです。ラテオはディアルーナに比べると柔らかくしなやかの印象です。
次にキャスト性能ですが、メタルジグなどの重量系ルアーに関してはディアルーナに軍配が上がります。ハリがあってシャキッとしている分、ぶれなく振り抜けるので総じて飛距離が出る印象です。
一方で15g以下のワームやプラグなど軽量ルアーに関しては、ラテオの方が投げやすいと感じます。ラテオの方が柔らかいので安定してロッドに乗せやすいという表現が正しいでしょうか。ディアルーナも十分乗せられますし投げられるんですが、硬い分タイミングがズレるとあまり飛ばない印象です。
ジャークやアクションなどの操作性ですが、これもキャスト性能と同様ですね。メタルジグなどの重量系ルアーはディアルーナが扱いやすく、軽量のワーム・プラグなどはラテオが扱いやすいです。
特に40g前後のメタルジグのジャーク感はだいぶ変わりますね。ディアルーナの方がシャキッとしているため、重めのジグでもよりキビキビと動かせている気がします。
【結論】遠投・ジャーク感なら「ディアルーナ」、汎用性なら「ラテオ」
ここまでの内容から考えると、この2本のロッドをおすすめできる人は以下のようになります。
【ディアルーナがおすすめの人】
- ハリがあって硬めのロッドが好きな人
- 40g前後のメタルジグを使ったショアジギングがメインの人
- 硬いロッドを鋭く振り抜ける中・上級者の人
- 高い感度を求める人(ラテオが悪いわけではないです)
【ラテオがおすすめの人】
- 柔らかめでしなやかなロッドが好きな人
- サーフのフラットフィッシュやシーバスなど比較的軽量なルアーをスローに使うことが多い人
- キャストにまだ慣れていない初・中級者の人
誤解のないように付け加えると、結論、どちらも良いロッドなのでおすすめです。各項目の差もそこまで大きな優劣はありません。ラテオで40gのジグを使ってももちろん釣れるし、ディアルーナで軽量ルアーも全然扱えます。強いてそれぞれが適しているシチュエーションを挙げると上記のようになるというお話しです。
それぞれの特徴の違いを知って、みなさんのロッド選びの参考にしていただけると幸いです。
「23ディアルーナ」の使用シーン別おすすめ番手

最後に、23ディアルーナのシーン別おすすめ番手をご紹介します。行きつけの釣具屋のスタッフさんにおすすめの番手を聞いてきました。
また、私自身がこれまで23ディアルーナのMHや他のシーバスロッド(24ラテオ等)のMやMLなどを使ってきましたので、そのあたりの経験も踏まえてお話しようと思います。
23ディアルーナはスピニングモデルで21種類も番手があるので選ぶのが大変だと思います。この内容が皆さんが選ぶ参考になると嬉しいです!
リバーシーバス(小規模河川)メインなら「ML」
リバーシーバスをメインにする人なら「ML」がおすすめ。リバーだと障害物周りや流れを探してキャストしていく釣りなので、サーフや河口ほど遠投の必要がありません。また、ワームや軽量プラグの出番も多くなります。軽量ルアーの扱いはMよりもMLが有利になります。
MLとはいえMAX35gまでは投げれるので、ライトショアジギングにも転用可能です。
大河川河口やサーフがメインなら「M」
大河川河口やサーフは遠投が必要になります。また、ランカーシーバスや青物・ヒラメのバイトも考えられるのである程度のパワーが必要。そうなるとおすすめは「M」クラス。「MH」でも使えますが、適合ルアー重量から考えると少しオーバースペック気味になります。サーフ・河口では、30g以下のジグやプラグ、ワームがメインルアーになるからです。
ライトショアジギングメインなら「M」か「MH」
30~40gのメタルジグを使ったライトショアジギングで使いたいという人は、「M」か「MH」がおすすめ。30g~40gがメインの方はM、40g以上がメインという方はMHがベストです。長さに関しては、9.6ftが最もオーソドックス。飛距離を求めるなら10.6ftあたりが候補に。
▼23ディアルーナ「S96MH」のインプレはこちら!

Mクラスは、10g台前半のプラグやワームも問題なく使えます。20~30gのルアーで様々な釣り(シーバス、フラットフィッシュ、ライトショアジギング)をしたいという方には「M」がおすすめです。
サーフや障害物地帯(磯、テトラ帯)なら「10ft」
サーフなど遠投が必要であったり、手前の根をかわさなければいけないようなフィールドであれば10ft台がいいでしょう。
特にガイドの小さなシーバスロッドの場合、ロングリーダーにして結び目がガイドに入ってしまうとライントラブルのリスクが高くなります。根が荒いフィールドがメインの場合、なるべく長いロッドにして、リーダーもガイドに入らない範囲で長く取る、というのがおすすめです。
一番人気は「96M」
店頭での販売傾向から見ると、一番人気があるのはやはり「96M」のモデルとのことです。9.6ftの長さは長すぎず短すぎずで、フィールドを選ばないですからね。またMクラスは、シーバスはもちろん堤防・サーフのライトショアジギングにも最適なパワーと言えます。1本で様々な釣りができる、まさに「万能」な番手ということですね!
まとめ
以上、シマノ「23ディアルーナS96M」の紹介でした。
ハリが強いしっかりしたブランクスはさすがシマノのフラッグシップモデルと言った感じです。メタルジグをはじめ、幅広い種類のルアーに対応できる万能性も魅力です。
シーバス、青物、フラットフィッシュなど一本で様々な釣りをやりたい方にはおすすめのロッドですのでぜひ検討してみてください!
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